【被災地からのコラム】私たちのふるさと紹介プラン「ちっと浪江」 朝日新聞福島総局・永野真奈

福島に誇りと愛着を持ってもらおうと、福島県は2013年から故郷の魅力を発見し、旅行プランとしてまとめる「子ども ふるさと福島 魅力発掘プロジェクト」を始めています。昨年は小中高15校が参加。福島県立浪江高校の生徒たちは、原発事故の影響で多くの住民が今は移り住み、浪江町の仮役場もある安達地方と、震災前に暮らしていた浪江町を県外の人に紹介するプランを考えました。プランの名前は「安達さこらんしょ~スイーツめぐりと、ちっと浪江~」。「ちっと」は「少し」という意味です。

昨年12月、本宮市にある県立浪江高校の仮設校舎の裏に、ぶわっとソースの香りが広がりました。「重い重い!」と鉄板の前で笑い声を上げ、太麺に大きなへらで立ち向かう制服姿の生徒たち。プランの中に盛り込んだ、ご当地グルメの祭典「B―1グランプリ」で2013年に1位に輝いた名物「なみえ焼そば」を旅行者と一緒に作る過程をイメージしようと、自分たちでつくってみました。

笑顔でほおばる生徒のなかに、プランづくりの中心となった今野亜莉沙さん(18)と熊谷磨美さん(18)がいました。昨年6月、プランを担当する鈴木知洋教諭(33)から声をかけられ、「やります」と答えたのは、「安達のスイーツめぐりができる」という言葉につられたから。初めは浪江には「ちっと」も触れないつもりでした。
けれど、安達地方にしぼったプランづくりを考え始めた二人に、鈴木教諭が問いかけました。「浪江がどういうところか、自分たちが生活しているところの人や、県外の人にも知ってもらいたくない?」。浪江高校であれば、浪江町にある名所や食べ物を紹介するのが本来の形。今は町を訪れてもらうことはできないけれど、二人とも安達地方の浪江の物を紹介することで「知って欲しい」と考えました。プランには、震災後に二本松市で再開した伝統工芸品・大堀相馬焼の器づくり、絵付け体験や浪江やきそばづくりを盛り込みました。

旅行プランを書き出した紙を見ながら、熊谷さん(左)と今野さんはプランづくりを思い出して笑顔になる=福島県本宮市の浪江高__.jpeg
写真説明:旅行プランを書き出した紙を見ながら、熊谷さん(左)と今野さんはプランづくりを思い出して笑顔になる=福島県本宮市の浪江高

実は、2人の中には浪江について話すことにはためらいもあります。今野さんは避難先の山形県の中学校に転校したとき、クラスメートからいきなり言われた言葉が忘れられません。
「被曝してんの?」
自分たちとは違うと、突き放されたような気持ち。「同じ東北でさえこうなのに、他の地方から来る人はどう考えているんだろう」とショックでした。
原発事故が起きる前の町の記憶も薄れてきています。クラスメートとの間で浪江の話が出ても、はっきり場所が分かるのはショッピングセンターくらい。両親も忙しく、3年前を最後に町に入っていません。

3月に高校を卒業すれば2人とも福島県を離れます。今野さんは上京してファッション関係の学校に。熊谷さんは茨城県で動物看護師になる勉強をします。福島県のホームページなどでプランを知って訪ねて来る人たちがいたとしても、出会えません。
それでも、東京や茨城県で知り合った人が興味を持ってくれれば、浪江のことを語るつもりです。
友達と遊んだこと。近くの海に冬でも足をぱしゃぱしゃさせに出かけたこと。今野さんは「帰りたい。なんでか分からないけど」と言います。町名が多くの人の口にのぼらなくなることが怖い、町がないことになってしまうのでは、と。「浪江は放射能と関連づけて報じられることが多いけど、それすら知ってもらえるチャンス」と思います。

熊谷さんは今、浪江町よりもずっと都会の福島市で暮らします。友達と街へ買い物に行ったり、お茶をしたりするのは楽しいけれど、浪江にいたら何をしていただろうと、今の生活への違和感が頭をもたげることもあります。被災後の浪江のことをうまく話せる自信はありません。それでも故郷、浪江のことなら「じゃんじゃん話したい」と笑います。もちろん、自分たちの思い出を込めて。


ヘッダー写真説明:「おいしい!」と自分たちでつくった地元名物の焼きそばをほおばる生徒たち=福島県本宮市の浪江高

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