【被災地からのコラム】最後の「夏」に挑んだ福島県立双葉高校野球部 朝日新聞 福島総局・茶井祐輝(ちゃい・ゆうき)

東京電力福島第一原発事故で町ごと避難している福島県の双葉町にはかつて、県立の双葉高校がありました。強豪の私立校を倒し、小さな町から夏の甲子園に3回も出場した学校は地域にとって誇りでした。原発事故後は避難先で授業を続けていましたが、来春の休校が決まり、野球部は今年、最後の「夏」に挑みました。

双葉高校野球部は学校創立と同じ1923(大正12)年に創部され、1973(昭和48)年夏に甲子園初出場を果たしました。その時のメンバーで野球部OB会長の渡辺広綱さん(61)は「当時は人口7千人の町から甲子園に行けたと大騒ぎ。地域の誇りだった」と話します。その後、80、94両年の夏にも甲子園に出場しました。

 
原発事故で双葉町は避難指示区域になり、双葉高校も避難を余儀なくされました。2012年4月からは、南に離れた福島県いわき市の私立大学のキャンパスに臨時の教室を置いていますが、15年からは生徒の募集を停止しました。震災前に約450人いた生徒はいまでは3年生だけの11人になりました。野球部員も大幅に減り、夏の甲子園を目指す福島大会には12年から他校と連合チームを組んで出場しています。今年は、東日本大震災の津波で被害を受けた沿岸地域にある相馬農業高校と、新地高校の2つの学校と連合チームを組みました。

今夏の双葉の部員はたったの2人でした。主将は松本瑠二(りゅうじ)君(3年)。県内の楢葉町出身で小学校を卒業した年に原発事故が起こり、避難のため中学を転々としました。もう一人は松本君が連日勧誘して1年秋に入部した及川彰大君(3年)です。打撃練習はバックネットに向かって打つなど、2人でもできる練習をしてきました。

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写真説明:松本瑠二君(左)と、捕手の防具を着けるのを手伝う及川彰大君=福島県郡山市の開成山野球場、7月9日撮影

7月9日、迎えた初戦は土砂降りの中での試合になりました。最後は二塁走者だった松本君が球を取り損ねた相手チームの捕手を見て、三塁ベース狙ったがアウト、ゲームセット。0―5で、双葉高校野球部93年の歴史が幕を閉じました。松本君は試合後に、「この試合は人生の宝物です」とやりきった3年間を振り返りました。

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写真説明:マスターズ甲子園を目指して試合をする双葉高校野球部のOBら=福島県郡山市の開成山野球場、7月2日撮影

双葉高校野球部は福島大会をもって「休部」となりますが、その志を受け継ぐOBたちがいます。OBたちは元球児が集う大会「マスターズ甲子園」を目指して昨年12月にチームを結成。「いつか避難指示が解除され、双葉高校が復活するその日まで名を絶やさぬよう、OBとして甲子園に行きたい」と意気込んでいます。今年は県予選の準決勝まで進み、惜しくも敗退しましたが今後も挑戦を続けていきます。

双葉町の人々が故郷にいつ帰れるのかはまだ分かりません。故郷で生きられているみなさん。自分の町を愛せていますか?離れて暮らすみなさん。帰省して親や友人と時間を過ごしていますか?双葉町のことを思うと、故郷があるのはありがたいとつくづく思います。


ヘッダー写真説明:最後の試合で、一塁へ全力疾走する松本瑠二君=福島県郡山市の開成山野球場、7月9日撮影

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