【被災地からのコラム】逆境乗り越え躍動した沿岸被災地の球児たち 朝日新聞宮古支局・阿部浩明

津波で肉親を亡くし、グラウンドは壊れ、グローブやバットも流失……。そんな厳しい環境にも負けず、あこがれの甲子園を目指した三陸沿岸の高校球児たち。この夏、岩手大会でもはつらつとしたプレーが球場にはじけました。


第98回全国高校野球選手権岩手大会に出場したのは72校、「5校連合」を含む68チーム。沿岸部の学校は、グラウンドが津波で浸水したり、被災を免れても仮設住宅が建てられたりして練習ができなくなったケースが少なくありません。大切な野球道具や施設も流されました。中には、親や友人が犠牲になったり、慣れない避難所生活や長引く仮設住宅での暮らしで体調を崩したりした選手もいました。

「いまだ復興途上にある被災地のみなさんに、勇気と活力を与えられるよう、仲間を信じ、笑顔を忘れず岩手を全力で熱くします」

開会式の選手宣誓で、一関一高校(一関市)の門間虎太郎主将(3年)は、被災者に心寄せるメッセージを力強く述べました。

海辺の「奇跡の一本松」から約1・7㌔離れた陸前高田市の高田高校は、校舎や体育館が全壊しました。グラウンドの一部は今も仮設住宅用地として使われています。このため、多くの運動部が校外での部活動を余儀なくされ、野球部も隣の大船渡市までバスで片道30分かけて移動しなければなりません。

震災直後、避難所となった野球部の室内練習場に、一編の詞が掲げられました。人気デュオ「ゆず」の代表曲「栄光の架橋」。歌詞を読んだ被災者が手紙を出したのがきっかけで、ゆずのふたりが駆けつけて、復興支援ミニライブを開いてくれたのです。勇気づけられた野球部員たちも自然と口ずさむようになり、いつの間にかシートノック時の「テーマ曲」になりました。今大会でも、シートノックが始まると、応援スタンドには「いくつもの日々を越えて たどり着いた今がある だからもう迷わずに進めばいい……」と歌声が響きました。

マネジャーの菅野杏奈さん(2年)は、全力プレーの選手たちを見守りながら、「みんな恵まれない練習環境を乗り越えてがんばってきました。悔いの残らないよう力を出し切ってほしいです」と祈りました。願いが通じたか、高田高校は4回戦で延長15回引き分け再試合を制し、ベスト8まで勝ち上がる健闘を見せました。

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写真説明:大声援を送る高田高校の応援スタンド=花巻球場

市街地が壊滅的な被害をこうむった大槌町。大槌高校は高台にあって津波被害を免れたものの、グラウンドは自衛隊の宿営地になりました。町営の仮設グラウンドなど練習場所を求めて転々とせざるを得ませんでした。でも、今年の春にやっと学校の新グラウンドが完成しました。「選手たちはこれまで思うように練習できなかった分、思いきり野球ができることに喜びをかみしめています」と遠藤宗啓監督。兼沢颯主将(3年)も「新しいグラウンドで不自由なく練習できることに、感謝の気持ちを忘れず取り組みたい」と喜びました。

 宮古市の宮古水産高校もグラウンドが浸水。グラウンドには仮設住宅が立ち、今も使うことができません。バッティング練習などはビニールハウスの中で続けています。さらに今年は、選手が足りず、内陸の部員少数校4校と合わせ、5校で連合チームを組んでの出場となりました。全体練習のために毎週末、数十㌔も離れた球場に集まり、連係プレーを中心に汗を流しました。

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写真説明:勝利を祈って円陣を組む宮古高校の選手たち=岩手県営野球場

宮古工業高校もグラウンドが約2㍍の津波に襲われ、表土がえぐり取られて、泥土がたい積しました。がれきを取り除き、黒土を敷いて再び使えるようになるまでかなり時間がかかりました。

一昨年には、豪州の元大リーガーが復旧支援を申し出て、「球児たちが甲子園出場の夢を追うのに役立ってくれたら」と、ブルペンとダッグアウトを贈ってくれたのです。元大リーガーと一緒に豪州の野球少年たちが宮古市を訪れ、宮古工選手との親善試合も実現しました。

逆境をはねのけて夢を追いかける球児たちを、身近な家族や地元住民だけでなく、いろんな人がいろんなかたちで応援してくれているのです。

今春の選抜高校野球大会に21世紀枠で出場し、甲子園初勝利を収めた釜石市の釜石高校。岩手大会では開幕試合をコールドで勝利。2回戦で第1シードの強豪校と対戦し、1点差で敗れはしたものの、延長13回の熱戦を繰り広げました。

「必ず甲子園へ行く」。エースの岩間大投手(3年)は母と約束しました。その母は、津波にのまれて今も行方不明です。甲子園出場の約束は春に果たしたが、一番行きたかった「夏の甲子園」はかないませんでした。それでも、「最高の仲間と接戦ができて楽しかった。忘れられない夏になりました」と前を向きました。


ヘッダー写真説明:沿岸被災校も出場した岩手大会の開会式=岩手県営野球場

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