【被災地からのコラム】福島県大熊町の小学生、熊本の大学生と「熊熊」交流5年 朝日新聞福島総局・池田拓哉

東京電力福島第一原発がある福島県大熊町。原発事故によって、約1万1千人の町民すべてが町外への避難を強いられ、いまも帰れません。この秋、大熊町から西に100キロ離れた福島県会津若松市で暮らす大熊町の小学生と、熊本県の大学生が交流を続けて5年になりました。常に「支える側」だった大学生は4月、熊本地震で避難生活を強いられました。「元気? また遊ぼうね」。テレビ電話でそう励ましてくれた小学生と、笑顔のハイタッチで再会しました。


9月15日午前8時。会津若松市にある大熊町立熊町小・大野小の仮校舎に、通学バスが到着しました。次々と降りてくる子どもたちを、「熊遊隊」の大学生5人がハイタッチで迎えます。「おはよう」「髪飾り、かわいかね」。熊本なまりで話しかける大学生たちに、子どもたちがほほえみます。ハイタッチは、熊遊隊ならではの恒例の出迎えです。

そこへ男性の先生が駆け寄り、雨ででこぼこになった運動場をならすよう大学生たちに指示しました。大学生を引率してきた熊遊隊事務局長、勝見治彦さん(71)は言います。「子どもと遊び、勉強を教えるだけでなく、学校運営にもかかわる。だから歓迎されるんだと思います」

熊遊隊の訪問は、原発事故があった2011年に始まり、今回が13回目。熊本県山鹿市で宿泊施設を営む勝見さんが、知人の大学生に支援を呼びかけたのがきっかけでした。「テレビや新聞で、大熊町民の全員が避難を強いられたと知った。熊本と大熊。『熊』つながりで、大熊の子どもを元気づけたかったんです」

大学生の顔ぶれは毎回少しずつ変わりながら、秋と春に約1週間滞在します。自費で参加し、避難者が暮らす仮設住宅の一室で寝泊まりします。今回は九州ルーテル学院大の女子4人と、熊本保健科学大の男子1人。「いつもは8人ぐらい参加するけど、少なめだね」と勝見さん。熊本地震によって授業や実習が後ろ倒しになり、この時期にずれ込んだことなどが影響しました。

これまでは子どもたちを元気づける立場だった大学生。今回は違いました。熊本地震に遭い、自らも被災生活を経験しました。

熊本地震の発生から間もない4月21日。熊遊隊に過去3回参加していた熊本市東区の兵藤優花さん(20)=九州ルーテル学院大3年=は熊町小の2年生3人にテレビ電話で励まされました。

「優花ちゃん、大丈夫ですか」「元気だよ。家の庭に亀裂が入って避難所にいて、炊き出しの準備とかしてるんだよ」

熊遊隊の大学生を心配する子どもたちの気持ちに先生たちが応え、元気な声と笑顔を届けました。今回、大熊の子どもたちと再会した兵藤さんは言います。「『また遊ぼう』と言ってもらえ、うれしかった。約束を絶対に果たそうと思いました」

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写真説明:運動会で子どもと触れ合う熊遊隊の大学生。入退場の誘導や交通整理などの運営を手伝った=17日、会津若松市河東町大田原

おにごっこ、サッカー、運動会……。楽しい時間はあっという間でした。「(兵藤)優花ちゃんが好き」と話す熊町小2年の斎藤羽菜ちゃん(7)に、記者が「会ったらどんな気持ちになった?」と尋ねると「また悲しくなった」と返ってきました。なぜでしょう。

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写真説明:運動会で子どもと触れ合う熊遊隊の大学生。入退場の誘導や交通整理などの運営を手伝った=17日、会津若松市河東町大田原

熊町小の伊達明美教頭(49)は目を潤ませ、こう話しました。「学校には子どもたちを励まそうと多くの人が学校を訪れます。『また会いましょう』と言っても、なかなか2度、3度とはいきません。学期ごとに、友達が大熊町により近い場所に転校し、寂しい思いをすることもあります。子どもたちは『もう会えないかも』という気持ちを常に持っているのかもしれません。熊遊隊の皆さんは約束を守ってくれるかけがえない存在です」

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写真説明:運動会で子どもの体操に合わせて体を動かす熊遊隊のメンバー。入退場の誘導や交通整理などの運営を手伝った=17日、会津若松市河東町大田原

熊遊隊は18日、1週間の滞在を終えて熊本に帰りました。「また来るけんね」。さりげないこの言葉を、そして遠く離れた仲間を心から信じられる子どもたちは、幸せだと思いました。


ヘッダー写真説明:「おはよう」。通学バスから降りてくる子どもたちと笑顔でハイタッチする大学生たち=15日午前8時、会津若松市河東町大田原

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