【東北女子のおすすめグルメ情報】仙台 Beauty Books & Coffee Cy(サイ)

こんにちは。今日ご紹介するのは、大町の静かな住宅街にひっそりと存在するカフェ、「Beauty Books & Coffee Cy(サイ)」です。

このお店の名前を見て、何か気づいた方います? Beautifulじゃないんですよ。Beauty。これはどういうことか。

いきなりアポリネールを引用しますが(*1)、

Les directeurs les ouvriers et les belles sténo-dactylographes
重役たち 労働者たち そして美しいタイピストたち

の文体と同じように

Beauty Books & Coffee Cy
美 書籍 そしてコーヒー Cy

なのである。(この解釈は私個人のものです。外れてたらどうしよう? 外れてないことを祈りつつ…… つまり、どちらも3つのものを並列しているが、中高英語で習った「A, B and C」の原則を守っていない。「A B and C」になっている、ということだ。こういうカンマ抜きは、現代詩にはよくある。)

美と書籍とコーヒーを売ってる店?

美と言っても、キラキラしたわかりやすい美ではない。この「美」を乱暴に言い直すならば、「美術」あるいは「芸術」だろう。

Cyのオーナー・村上裕之さんは、仙台を拠点に活躍するアーティストである。中性的なワンストラップシューズがこの上なく似合う、上品な紳士。Cyで作品を販売していることもあるけれども、Cy自体が村上さんの作品である、と私は思う。

大町のParis(*2)へようこそ。

2.JPG

arrondissement(アロンディスモン)と書いてあるのは、併設の日仏雑貨店です。齋藤未穂さんという気さくでお洒落な女性がこちらを担当し、同じフロアで、村上さんがコーヒーのサーブや本の販売を受け持つというわけです。お店のあらゆるところにフランス要素が詰め込まれています。勿論フランスだけじゃないけれど。

カフェCYAN(*3)が青なら、Cyは白と黒だ。縦に長いお店で、入口のドアは開け放たれている。これがいい。様々な質感の白を基調とした、一定の美意識に支配された部屋に、閉じ込められることはない。外の空気と音がたえず店内にも流れてくる。ある世界観のさりげなくも強烈な発露、繋ぎ留めるようでいて不干渉。適度な距離感だ。

まず入口付近にテーブルが2つほどあります。1つ目は窓際にあって、時間帯によってはよく日が当たる。ああ、このへんがもうフランスだ。フランス人は日光大好き。いつだってテラス席がお好みだし、室内にも日光を持ち込みたがる。教会にでも入らない限り、日差しから完全には逃れられない。

3.JPG
▲窓辺の席の書籍たち

4.JPG
▲齋藤さんはディスプレイのセンス抜群

5.JPG
▲この美しいアーチをなしているものは本なのです

6.JPG
▲大胆にも頁を折ってしまう。村上さんのアイデアか
彼はご友人への贈り物に、聖書をくり抜いてオブジェを作ったりもしているみたいだから……(*4)

7.JPG
▲ボードレールの「酔っていたまえ」Tシャツとかある(*5)

8.JPG
▲奥には洋書の画集や写真集。壁の黒が効いている

店内を奥まで見渡すとこんな感じ。他にもドライのアジサイやユーカリ、背筋を伸ばしてややエロティックに反り返った深紅のカラーの一輪挿し、意味ありげに床に積み上げられた本も。一通り眺めて、今座っている椅子に視線をやると、バロック・ロココ調。

一部煉瓦風の凹凸になっている白い壁は、同じように凹凸のリズムを刻む床と調和している。白い壁には、突起を幾箇所にもわざと残して凶暴に塗りたくられたような部分もある。壁全体が画布もしくは作品であるかのようだ。テーブルには緑色の絵具の染みがついている。これらを逐一観察していると、画家のアトリエにお邪魔虫をしている気分になれる。

9.JPG
▲冗長に書きすぎたね。やっとメニューだよ

エリック・サティから着想され、大人のアイスコーヒー、大人のミントとはこういうものだと唸らされる「サティブレンド」はいい。自身がドライ・ラヴェンダーのちひさなブーケとなり、細い紫色のリボンで下半身を結ばれた気持ちになりきれる紅茶「サンジェルマン(ラヴェンダー)」もいい。でもやっぱり定番はオリジナルブレンドだ。

10.JPG

コーヒーは
マグカップに乗ってやってくる小さな物語です。(*6)

だそうです。時間をかけて淹れてくれるコーヒーはしかし、大袈裟でなく、孤高の尽力、決死の一杯という感じがする。それでいて軽やかでさりげない。まさにプロの仕事だ。コーヒーが一滴ずつ落ちている音はかかっている音楽と同一化し、新しい音楽となる。それに耳を傾けながら私は待つ。

痛いほどに抱かれて落ちる
しずくのひとつひとつが
誰かを変える海であること。(*7)

サーブされたコーヒーの空気感はかっこよく、その香りも、その味も、実に素晴らしい。

また、フードメニューはテリーヌショコラのみ。塩が効いているのでお酒を飲みたくなる。通常はピンクペッパーが数粒乗っていて愛らしいのだが、このときは乗っていなかった。それがよかった! 変なことに気づいてしまった。ブックコーナーの壁を食べているみたいだ。というかこの塊自体が村上さん的世界観?

11.JPG

12.JPG


大町や立町というのは、実は仙台のアート界隈である。アトリエやギャラリーが点在している。Cyでは様々なアートイベントも開かれています。先日は「ワインとデッサン会」なるものが開催され、私はモデルをさせていただきました。

13.JPG
▲村上さんのデッサン

人は展示会などがあると、作家の在廊を妙に何か有難がるものだが、Cyはアーティスト村上さんが常時在廊するギャラリーのようなものではないだろうか。なんて喜ばしい非常事態!

しかし、ここは仙台のアート人が出入りするだけでなく、仙台のフランス通(arrondissementに至っては「フランスかぶれ」を自称しているほどだ)、それからなぜか、仙台の『赤毛のアン』好きが集まる場所でもある。

かといって選民思想なわけでもないだろう。白と黒は全ての人を受け入れるニュートラルやベーシックをも表現できる。開け放たれた扉は、日常との断絶か連続か。あなたもCyに足を踏み入れ、風や光や芸術と思う存分戯れて。

------------
脚注
*1 アポリネールはフランス20世紀の詩人。引用したのは『アルコール Alcools』所収の「地帯 Zone」。
*2 村上さんの言葉(Cyのブログ http://cy-bookstore.blogspot.jp/ のどこかにあります)。
*3 拙筆 http://blog.webbellmark.jp/epi-160426/ ・
http://gathery.recruit-lifestyle.co.jp/article/1145589422582757001 もご覧ください。
*4 Cyのブログより。
*5 フランス19世紀の詩人ボードレールの有名な一節。『パリの憂鬱 Le pleen de Paris』所収の「酔っていたまえ Enivrez-vous」より。
*6 Cyのブログより。
*7 文月悠光「レモンの涙」、『mille』に掲載。コーヒーのことを言うため引用したが、詩中ではこれはレモンについての描写である。文脈を引っペがした暴力的引用とはこういうものだ。良い子のみんなは真似しないでください。


今回ご紹介したお店の詳細データ

店名 Beauty Books & Coffee Cy(サイ)
住所 宮城県仙台市青葉区大町2-9-22 1F
電話 022-281-9434
時間 12:00~22:00
休日 不定休



ウェブベルマークとは

教育支援のパイオニア ベルマークのウェブ版

2013年9月、東北被災校支援をきっかけに始まりました。 自己負担がなく、ネットショッピングで支援金を生み出すことができる仕組みです。

>詳しくは、こちらへ!

Yahoo!ネット募金

Tポイントやクレジットカードで、寄付できるようになりました。

>寄付は、こちらから!

1クリック募金(協賛サイト負担)

ひとり1日1回クリックするだけ、東北被災校へ1円募金!

↓このバナーからウェブベルマークサイトへ。

ネットショッピングで、東北の被災校支援を。Web Bellmark

ウェブベルマーク紹介動画

人気記事

カテゴリー

ウェブベルマークを広めるチラシデータがダウンロードできます!

ベルマーク運動参加校の保護者向けに
チラシデータ(A5版 カラー・モノクロ)をご用意しています。

>ダウンロードは、こちら!

A5版チラシの郵送受付は、終了いたしました。(2016/08/31)

NEW! 2017年度版のデータ(A5版)をご用意しました。(2017/03/14)

LINE公式アカウント

ウェブベルマークLINE公式アカウントです
@webbellmarkでも検索可能です
「利用」「アプリ」など、トークで話しかけてみてください!

友だち追加数