【被災地ニュース】震災から4年。追悼の朝、遺族や被災者たちの祈り。

【写真説明】
かさ上げ工事で移転することが決まっている石碑を訪れた瀬尾真治さん(中央)家族=11日午前11時13分、岩手県大船渡市三陸町越喜来、杉本康弘撮影

思う、祈る、ずっと 東日本大震災4年

 1万5891人が亡くなり、2584人の行方が今もわかっていない東日本大震災の発生から11日、4年を迎えた。津波被災地では、土地のかさ上げ工事で大切な人をしのぶ場がなくなろうとしている。追悼の朝。遺族や被災者たちは、失った人への変わらぬ思いを胸に刻み、静かに手を合わせた。

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娘の碑、かさ上げで移転へ 岩手・大船渡

 東京都練馬区の瀬尾真治さん(60)と妻裕美さん(56)はこの日も、長男の亮介さん(27)と岩手県大船渡市の越喜来(おきらい)地区を訪れた。娘が好きだった三陸に通った4年間。娘を奪った海を望む丘が家族にとって大切な場所になった。

 海と海の生き物が大好きだった長女の佳苗さん(当時20)は東京の高校を卒業後、大船渡市にある北里大海洋生命科学部に進んだ。だが、あの日、津波から逃れる車いすの高齢女性を助けて、自らは流された。

 真治さん夫妻は毎月のように現地を訪れ、佳苗さんを捜し歩いたが見つからなかった。「佳苗に会える場所がほしい」。手を差しのべてくれたのは、地元の人たちだった。

 佳苗さんが暮らしたアパート跡から200メートルほど離れた場所を親しくなった人が提供してくれ、昨年3月、石碑を設けた。娘さんは私たちが預かっていますから——。そう言ってくれる女性もいた。

 越喜来の人たちとの出会いに感謝したい。友人に囲まれていた娘への思いも込めたい。幅約1・5メートル、高さ約60センチのごつごつした石碑には「友心」と刻んだ。

 ただ、ここで娘に会えるのも今月いっぱいだ。県道のかさ上げで立ち退かなければならない。真治さんたちは別の場所に石碑を移そうと考えている。「海を見おろせる静かな場所がいい。娘や自分たちを支えてくれた友がいる、この越喜来なら、佳苗も納得してくれるはず」(阿部浩明)

友しのぶ、校舎は消えても 宮城・名取

 津波が来てるから、戻ってきちゃだめだよ。瑠衣ちゃんに、そう伝えてあげればよかった——。県立仙台三桜高校2年の伊藤碧惟(あおい)さん(17)は今も、悔いている。

 750人以上が津波で亡くなった宮城県名取市の閖上(ゆりあげ)地区。生徒14人が犠牲になった閖上中学校の1年生だった。同級生だった浜田瑠衣さん(当時13)を失った。あの日も、メールでたわいのないやりとりをしていた。《体調、大丈夫?》《大丈夫だよ》。大きな揺れに襲われたのは、そのすぐ後だった。

 家族と一緒に、海と反対のほうへ車で逃げた。渋滞で止まると、外に出て走った。高台にたどり着き、振り返った。波は目前に迫り、自分の家はもう見えなくなっていた。
 

「瑠衣ちゃんは……」。家族と買い物に出かけた帰りに、津波にのまれた。人づてにそう聞いた。

 1年後、中学校の旧校舎前に慰霊碑ができた。高さ約1メートルの黒御影石。浜田さんの名前も刻まれた。

 中学校は内陸に7キロ先のプレハブ校舎へ。でも、ふらりと出かけるのは、いつも海に近い旧校舎。友だちとけんかした時。悩みがある時。何だか、うまくいかない時。自宅から10分ほど自転車をこぎ、碑に手を合わせた。

 旧校舎は解体が決まった。慰霊碑は地区内の別の場所に移されると聞いた。

 「大人になったら母校に帰るのが夢だった。夢が消えちゃった」。11日午前9時すぎ、伊藤さんは慰霊碑の前に立ち、浜田さんの名前をそっとなでた。(堀江麻友)

追悼イベント、最後に? 宮城・石巻

 津波で壊滅的な被害を受けた宮城県石巻市門脇地区。枯れ草が茂る広い更地の一角に、縦2メートル、横11メートルの看板が掲げられている。

 《がんばろう!石巻》

 周りの人たちを奮い立たせられたら、と考えた水道配管工事店を営む黒沢健一さん(44)が津波で流された自宅兼店舗の跡地に震災の翌月、設けた。

 いつからだろう。看板の前に立ち、涙を流して手を合わせる人の姿を見るようになった。花を供えに来る遺族もいた。その年の夏、小さな献花台を設けた。「人々が自然と集まり、追悼の場になった」

 震災1年後の3月11日、地震発生時刻の午後2時46分にあわせて看板前で開いた追悼イベントには、県内外から約350人が集まった。昨年は約600人に。

 ただ、イベントは今年が最後になるかもしれない。

 土地区画整理事業が昨年8月から始まった。看板の目の前の県道を標高3・5メートルにかさ上げする工事がまもなく本格化する。看板が立つ場所は2020年度を目標に整備される「復興祈念公園」の予定地だ。

 「まちが大きく姿を変えることに一喜一憂せず、できることを粛々と。被災者一人ひとりが心の平穏を取り戻し、生活を立て直すこと」。黒沢さんはそれが本当の復興だと信じ、震災4年のイベントの準備をした。(茂木克信)

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【写真説明】
県道沿いに設置された「がんばろう!石巻」の看板前で祈る人たち=午前10時3分、宮城県石巻市、内田光撮影

(朝日新聞 2015年3月11日)無断転載を禁じます

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