【被災地からのコラム】交流を糧に成長する児童たち 朝日新聞宮古支局・阿部浩明

愛媛県西予市の市立美術館には毎年、全国から、使用済みかまぼこ板に絵や文字を描いたかまぼこアートが寄せられます。2011年3月19日、岩手県宮古市の田老第三小学校から、6点のかまぼこアートが届きました。それは、震災発生直前に投函されたものでした。

 岩手県宮古市の田老第三小学校(児童16人)の壁には、「愛媛コーナー」が設けられています。「全国かまぼこ板の絵展覧会」が取り持つ縁で広がった、田老と愛媛の交流の足跡を紹介しています。

 かまぼこ板の絵は、使用済みのかまぼこ板をキャンバスに、思い思いの絵や文字を描くユニークなアート。愛媛県西予市の市立美術館「ギャラリーしろかわ」が主催する展覧会には毎年、全国からたくさんの力作が寄せられるそうです。

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 東日本大震災が起きた2011年の3月19日。ギャラリーしろかわに一つの小包が届きました。消印には「岩手・宮古」とあります。「津波を受けたあの宮古からだよ!」。職員が驚いて開けてみると、かまぼこ板の絵が6点入っていました。田老三小の3年生と先生が制作した応募作品だったのです。

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 実は、小包は震災発生の直前に投函されたものでした。その後、震災の大混乱の中をくぐり抜け、8日後に無事届いたのです。「奇跡」と感動を呼び、この年の展覧会で6作品は「感動賞」を受賞しました。これがきっかけとなって、表彰式に招待されたり、西予市立魚成小学校の子どもたちから励ましの手紙が届いたり、交流が始まったのです。

 田老三小がある田老地区は「津波太郎(田老)」と言われるほど、昔から何度も津波被害に見舞われてきました。明治29年と昭和8年にも大津波に襲われ、大勢の人が波にのまれました。このため、町を囲むように、総延長2・4㌔に及ぶ高さ10㍍の巨大防潮堤を築きました。人々は「万里の長城」と呼んで信頼していましたが、東日本大震災では無残に壊れ、200人近い住民が亡くなりました。「この防潮堤があればぜったい大丈夫」。そんな過信が犠牲者を増やしてしまったとも指摘されています。

 児童たちは年に2回、学校から1㌔離れた高台へと逃げる避難訓練に取り組んでいます。5月には、新1年生5人も頑張って早歩きしました。津波がきたら各自がてんでんばらばらに一刻も早く逃げて、自分の命を自分で守る――という「津波てんでんこ」の教えを胸に刻むのです。

 地区の中心部から少し離れていて、幸い津波を免れた田老三小では震災後、グラウンドの一部に仮設住宅が建ちました。今は撤去されましたが、運動会などの学校行事で、被災者とのふれ合いもありました。「小さい学校なので、いろんな方に声をかけてもらえてありがたかったです。皆さんがいなくなって寂しい気持ちですね」と、副校長の佐々木真也先生は振り返ります。

 子たちは今年も、復興への願いや将来の夢などをかまぼこ板に描いて応募しました。ギャラリーしろかわ館長の谷口佳代さんは「田老の子どもたちの絵からは、明るく、のびのびとした様子がうかがえてとてもうれしい。この絆を大切にして、これからもずっとエールを送っていきたい」と話しています。

 震災は、子どもたちにとってもつらい経験でした。でも、そこから生まれた「外との交流」を通して、田老だけでは得られない貴重な刺激を糧に、心豊かに成長しています。

(写真説明)
① 「愛媛コーナー」を紹介する佐々木真也副校長=田老第三小学校
② 「かまぼこ板の絵」応募作品の一部=ギャラリーしろかわ編集発行の作品集から
③ 田老第三小学校の作品を特集で紹介=ギャラリーしろかわ編集発行の作品集から

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