【被災校ニュース】教室と柔道室、薄壁一枚 プレハブ、音や狭さが悩み

東日本大震災の被災地で、学びの場の復興が遅れている。子どもたちが仮設の校舎で授業を受けたり、被災した人たちが校庭に立つプレハブ仮設住宅で暮らしたり。子ども同士、子どもと被災者が互いを思いやる生活が続くなか、子どもたちの運動不足も課題になっている。

津波で校舎が被災した宮城県石巻市立渡波(わたのは)中学校の生徒335人は市内の小学校の校庭に立つ2階建てのプレハブ仮設校舎で学ぶ。

「バーン」。2月のある日。理科の小テストを受ける3年生の教室に大きな音が響いた。薄い壁をへだてて隣は「柔道室」。1年生たちが一斉に受け身をとる音だ。

テストを受けていた加藤ゆりあさん(15)は「音はたまに気になる。先生の話が聞こえにくい」。はす向かいの「技術・美術室」からは、金づちでたたく音が聞こえることもある。

悩みは音だけではない。

元の校舎の広さは5772平方メートルあったが、今は1970平方メートル。生徒数は約7割に減っているが、国の基準に約400平方メートル足りない。プールも使えない。コートのないソフトテニス部は休部中だ。小学校に配慮し、昼休みは生徒が校庭に出ないようにしている。

プレハブ仮設は冬寒いため、11月半ばから3月までは教頭が毎朝6時前に出勤し、各教室を回ってエアコンを入れる。建設中の新校舎が使えるのは2017年4月の予定だ。

■校庭に仮設住宅、お互い気配り

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写真説明:野田中学校の校庭に立つ仮設住宅。震災前に掲げられた「めざせ県大会優勝」の看板が倒れていた=岩手県野田村、寺沢尚晃撮影

校庭に22棟128戸の仮設住宅が並ぶ岩手県野田村の野田中学校。「生徒に窮屈な思いをさせて申し訳ない」。震災の2カ月後から仮設で夫(83)と暮らす広内スエさん(76)はつぶやいた。住宅のそばには野球のバックネットやサッカーゴールが置かれたままだ。

同校はテニスコートを校庭代わりにしているが、広さは元の3分の1ほどだ。子どもたちの運動不足を解消するため、校内の砂利道を舗装して1周330メートルのランニングコースをつくり、体育や部活動で使う。

昨年の県大会で優勝した野球部は約3キロ離れた運動公園で練習する。主将を務めた3年の藤森晃希(こうき)さん(15)は「入学した時から仮設があった。当たり前のことだと思っています」。菊地理校長は「被災した方の生活が最優先。優勝した子どもたちを誇りに思います」と話す。

「校庭が使えないけど我慢してね」。放課後、スエさんが練習に向かう部員に声をかけた。「はーい」。子どもたちの元気な声を聞くとスエさんは少しホッとする。

福島県では、原発事故の避難指示区域にある学校が本来の校舎を使えず、区域外の仮設校舎や廃校の教室などで授業を続ける。全域で避難が続く町の町長は「町の学校に子どもは戻らないが、町民のなかには『母校は残しておいてほしい』という声もある。対応が難しい」と話す。(小宮山亮磨、寺沢尚晃)

■運動、不足がち 被災3県の児童、震災後体力低下

被災3県の児童生徒には震災後、体力低下の傾向が見られる。「体を動かす機会が減ったりバス通学が増えたりした沿岸部で、子どもが運動不足になっている」(岩手県教育委員会の担当者)

160304小学5年の体力調査の図.JPG

文部科学省が小学5年生を対象に15年度に実施した全国体力調査で、3県は合計点(50メートル走など8種目を点数化)の全国順位をいずれも震災前年から落とした。点数も宮城県の女子以外は減った。

岩手、宮城両県の沿岸部の小学校では、狭い場所で効率よく運動できる体操を取り入れるなど、運動不足対策を講じている。被災地で子どもの運動支援をする征矢(そや)英昭・筑波大教授(運動生化学)は「被災地の運動環境は改善していない。運動は気分を前向きにする効果もあり、学習意欲にも直結する。軽いものでも工夫しながら続けることが重要だ」と話す。(黒田壮吉、伊藤嘉孝)


ヘッダー写真説明:渡波中学校の3年生がテストを受ける教室(左)の隣に柔道室。1年生の受け身をとる音や笑い声が響く=宮城県石巻市、小宮山亮磨撮影


(朝日新聞 2016年3月4日)無断転載を禁じます。

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