【サポーターズコラム】中越地震から10年 子どもは大人に、小学校は交流拠点に。東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)事務局 岡坂建さま

先日の10月23日で中越地震から10年となった。あの夕方のご飯時、ある人は台所で料理をし、ある人はお風呂に入り、ある人は家路に急ぐ車内でその揺れを感じた。僕も遠い愛知で少しながら揺れを感じた。

長岡市川口田麦山、旧川口町田麦山地区は震源のある場所から魚野川を挟んだ山間にある農村だった。500人ほどの避難者が地元の小学校に避難し、数カ月後には校庭いっぱいに建てられた仮設住宅に引っ越した。縁あって僕は、愛知から中越を支援する「あいち中越支援ネットワーク」の事務局をすることになり、その年の12月からは現地にコンテナハウスを立てて駐在することになった。

当時の主な活動はボランティアがつくるA3ウラオモテの手作り新聞「たむぎやま日日新聞」を配達しに回りながら、家々のドアを開け、毎日お話をきいてまわったり、大雪には雪掘り(この地域は豪雪なので雪はかくものではなく掘るものらしい)を手伝ったり、地元の雪まつりや除雪、交流などのために集まった外部のボランティアを受け入れ調整したりしていた。

実はこの地域、子どもの人数がすくないため、保育園は数年前に閉園し、小学校も数年後に閉校の予定になっていた。たしか小学生が15人ほど、中学生が10人ほどいた。大学生のボランティアが中学生には勉強を教え、小学生には遊び相手になっていた。校庭は仮設住宅になってしまい、田んぼも豪雪で雪壁になってしまっているので、最初は子どもも屋上で遊んでみたり、道路で遊んでみたり、仮設住宅の通路で遊んでみたり…と試行錯誤をしながら遊んでいた。豪雪地域の子どもだけにたくましく、雪壁の上をつたって僕らのいるコンテナハウスの2階の窓から顔を出しておどろかせたりもした。僕らはそんな無邪気な子どもにずいぶん助けられたような気がする。そんな中越の活動も、翌2005年の春に終了となった。

それから9年半ほどがたち、先日19日、20日と田麦山地区では「震災ボランティア感謝祭」をすることになったと当時の仲間から突然連絡が来た。本当にあれから何もしていないので、気恥ずかしい気持ちが大きかったが、久しぶりにあの時を思い出しながら再び訪れた。
行ってみると異変にすぐに気づいた。閉校になった小学校であるはずの建物の至る所に貼られている「謎の黄色い看板」である。入口に貼られている看板にはひらがなで「たんぎゃまはうす」と書かれていた。僕らが知っている避難所で小学校だったここはなんと今や地域交流拠点になっていた。閉校になったあと、姿形はそのままに、この黄色い看板をつけ、教室や職員室を地元の人の手で少しだけ改装しただけのシンプルな作り。愛称の「たんぎゃま」とは「田麦山(たむぎやま)」を地元の人が発音するとそう聞こえるところからつけられた。職員室は畳敷きになり「たんぎゃまちゃのま」、校長室は応接セットがそのままに「たんぎゃまきひんしつ」、調理室は「たんぎゃまきっちん」という具合。僕にはこの黄色い看板が「魔法の板」に見えて、とてもまぶしかった。

聞けば僕らがいなくなったあと、地元の人がここを拠点に復興や村おこしをしていった。農業の再建のために農業法人をつくり、村おこしのためにNPOをつくった。自然を活かして魚道の整備やブナ林でコンサート、ロードレースやトレッキングコース整備などされた。実を聞くとどれも大変だったようだが、同じ日本とは思えないくらい、すごく楽しそうな場所になっている。(正直うらやましい)
そして子ども。震災以降、集団移転などで人口が3分の2ほどになったため、今の子どもは小中学生合わせて10人くらい。小学校も少し離れた場所にあるので、毎朝、中学生といっしょにスクールバスに乗って通学する。子どもこそ減ったが、あのとき小学生だった彼らは今や二十歳前後の若者に成長。実は村おこしのNPOのメンバーになって親の手伝いでしっかりと一翼を担っている。感謝祭で裏方をやってた彼は多分僕がよく話を聞きに行った住民さんの息子さんだと思うけど、彼らは僕らのことなんて全く覚えてないし、僕らも成長しちゃった彼らが正直どこの息子か娘かわからなくなってしまっている。

でも、それでいい。お互いの記憶が曖昧になっていることも手伝って、もはやこちらから声をかけるのに躊躇するくらい「地元のひと」になっている。そして親の背中をみて感じた復興の意気込みを、村づくりのちからとして受け継いている。最初の半年、ここで活動をした甲斐があったことを実感しつつ、単純にノスタルジックになっているだけの僕は、なんの因果かいまも東日本大震災の活動をしている。(了)

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